彼の名は「神の炎」を意味する。後世の聖典では「神の顔」ファヌエル/Phanuelと同一視される。ペテロの黙示録では「懺悔の天使」として描かれた。

ウリエルは四大エレメントのうちの地、南の方位、感受の霊力、堅忍の美徳を司る。タルタロス(地獄)を支配し、熾天使とも智天使ともされる。また、ウリエルは記録される中で最初に人間になった天使であり、地上で名乗った名はヤコブである。彼のシンボルは「焔の剣」や「楯」である。

ウリエルの主な職務は、死後の魂の選別をすること。ウリエルは、善行を積み重ね、深い信仰心を示した魂は天界へと導く。しかし、そうではない魂は地獄へ容赦なく叩き落す。しかも、ウリエル自身も地獄まで出向き、罪を犯した魂の拷問を行うのである。

文献の中で登場するウリエルが人に対して友好的であったり、協力的な態度を取る記述は少ない。その原因は前述した彼の司る職務に原因があると思われる。さながら天界の憲兵総監といったウリエルだが、彼の最も優れた能力は凄まじいまでの洞察力である。

こんなエピソードがある。魔王ルシファーが下級天使に化け天界に忍び込んだ事があった。その際、唯一ウリエルのみがこの堕天使の存在に気付いたのだ(ガブリエルは自ら守護するエデンの東門の通過を許している)。だが、彼の疑惑が確信に変化したときには、ルシファーはすでに地上に舞い戻った後だった。寸でのところで間に合わなかったが、地獄で最も狡猾な魔王の力を見抜いた力は素晴らしいといえるだろう。

「栄光の天使」であることは確実だが、四大天使の中で彼のみセフィロトにおいて何の役目を持たない。

ウリエル/Uriert