その名は「神の人」「神は力強い」の意。キリスト教では聖母マリアへの受胎告知、イスラム教ではムハンマドにコーランを伝えるなど、神の言葉を伝える「告知天使」「真理の天使」として知られる。ガブリエルは「エデンの園の統治者」とされ、「復活」「慈悲」「啓示」そして「死」の天使でもある。

ガブリエルは四大エレメントのうちの水、北の方位、想像の霊力、節制の美徳を司る。イスラム世界ではジブリール/Djibrilと呼ばれ、告知天使としてムハンマドの前に現れるなど、重要な役を果す。"地に近き天"第一天シャマインの支配者にして、セクンダディでは月を司る。ガブリエルのシンボルは「百合の花」。また、「剣」=正義と真理の象徴、を携えた姿でよく描かれる。女性として広く認識されるが、聖書の中で明確に「性別」が記されているわけではない。

彼女(?)には他の大天使と異なり武勇伝は多くない。文献内でのガブリエルは、登場人物への助力や援護といった一般的な天使を彷彿させる役が多い。そんな彼女も天使ソフィアのように、かつて定かではない不品行により神の恩寵を失った。この時のガブリエルの代行者は天使ドビエルが務めたとされる。

「栄光の天使」の確定している一人。「生命の樹の天使」で、第九セフィラー:「イェソド」の守護者。

イェソド/Iesod:「基盤」(智恵とも)
象徴:数字・9、色・紫、金属・銀、惑星・月
神名はシャダイ・エル・カイ。「裸の男性」として表現され、またその意はアストラル体(星幽体)である。アストラルとは霊魂と肉体の中間とされる霊気である。カバリストはこれを「前物質存在」と表現する。対立するシェルはガマリエル。

ガブリエル/Gabriel