ベリアルはルシファーの次に創造された偉大な王とされ、名は「無価値な」「邪悪」「無益」を意味する。燃え盛る戦車に乗った美しい二人の天使として描かれる。彼の持つ魔力は強大であり、その実力は計り知れない。力天使であったともいわれる。

ここに悪名高きベリアルの酷評を幾つか例示する。

「地獄で最も卑猥な、悪徳の為に悪徳に熱中する精神の持ち主」、「外見は美しく優雅で権威に満ちるが、その魂はすこぶる醜悪」、「天から落ちた天使のなかで、彼ほど淫らで不埒な者はいなかった」…

ベリアルの目的は召喚者を含めたあらゆる者を欺く事であり、その策略が最も功を奏した例が「ソドムとゴモラ」の有名なエピソードである。

ベリアルの恐ろしさは強大な魔力だけではなく、弁論術もそれに追随することである。ベリアルの弁舌の巧みさは、低俗極まりない内容の弁論であろうと、人々の耳には立派な正論と聞こえるのである。その詭弁はベリアル自身の思想が低俗であることを証明しているのだが、悪徳にかけるベリアルの情熱は他の如何なる悪魔の追従を許さない。

それこそがベリアルの本性であり存在意義なのだ。

「ソロモン72柱」 悪魔紋章 "68 ベリアル/Belial"
 悪魔紋章 "68 ベリアル/Belial"

「ソロモン72柱」 68 ベリアル/Belial