堕天する以前のアスモダイは熾天使の座にあり君主の一人であった。堕天後は敵である洗礼者ヨハネに対抗し、不貞な者共の支配者になるという。

尾は蛇、足はガチョウ、雄牛・人・牡羊の3つの顔を持ち、炎の息を吐き、軍旗と槍を手にドラゴンに跨る。72の軍団を率い、幾何学、算術、天文学、工芸術を教授し、美徳を司る「星まわりの指輪」を与える。

アスモダイはアモイモン(=マモン。シリア語の富や金を表す言葉。マタイ伝福音書第六章二十四節の記述、キリストの「誰も神とマモン(富)に同時に仕えることはできない」の言葉から悪魔となったものと思われる。非72柱)の副官であり偉大なる王である。

アスモデウスとも呼ばれ、名の由来は三千年以上前のペルシアの伝承におけるアエシュマ・デーヴァに見られる。世界でも最古参の悪魔であり、デーヴァはインドへ、アエシュマはユダヤに伝わったと思われる。天使サマエル(サタン)と同一視するユダヤのラビ(法律博士≠僧侶)もおり、複雑な悪魔学において重要な位置を占める悪魔である。

また、アスモダイは一時ソロモンの王位を奪った。だが、ソロモンはすぐさまアスモダイに鉄の枷をはめ、エルサレム宮殿の建設を手伝わせたという。

「ソロモン72柱」 悪魔紋章 "32 アスモダイ/Asmoday"
 悪魔紋章 "32 アスモダイ/Asmoday"

「ソロモン72柱」 32 アスモダイ/Asmoday