冠を戴いた人の顔、猫、蟇の3つの頭を持ち、体はなく、3頭の繋がった肩から蜘蛛とも蠅ともつかない足が無数に生えている姿で描かれる。3つとも人の顔で現れることも。威厳に満ち、しわがれた声で話す。

バエルはエノク書の中で、「東の軍勢を率いる王」とされ、数々の魔術書や悪魔研究本に於いて地獄第一の王と記されている。その出自は、カナン、バビロニア、カルタゴなどで神々を統べる王バールの数ある異称の一つであると伝えられる。7つの大罪のうち「大食」(Gluttony)を司る蠅の王ベルゼバブも同一神と考えられる。(ベルゼバブは『列王紀下』第23章にて「気高き主」もしくは「高き館の主」を意味するバアル・ゼブルという名で現れている)

ミルトンの「失楽園」に登場するバールはアスタロトを妻に持ち、ユーフラテス河周辺で力を持つ邪神として記される。そもそもバールとは主や王を表す一般名詞であり、カルタゴの戦士ハンニバル(王の恵みの意)など多くの王の名に使われている。また、イスラエル人も偶像崇拝の対象としており、聖書士師記第2章11節に「イスラエル人は主の目の前に悪を行い、バアル(バール)に仕えた」とある。

バエルは人を透明にさせる力を持つ。また奸計にも長け、相手を陥れたいときその知恵を授けてくれる。

「ソロモン72柱」 悪魔紋章 "01 バエル/bael"
 悪魔紋章 "01 バエル/bael"

「ソロモン72柱」 01 バエル/bael