別名はアーモン、マモン、アモイモン。デーモン(Demon)の語源とも。40の軍団を支配する最も厳格な候爵。嘴から鋭い犬歯が覗く梟もしくはカラス頭の、大蛇の尾を備えた青い肌の狼の姿で描かれる。

口から炎を撒き散らし、過去と未来の全てを語ることができる。さらに友人間に敵対心を生み出したり、争いをおさめる調停者としての力も併せ持つ。これらの力を有効に使えば、個人の喧嘩から裏社会抗争、果ては国家間戦争までもコントロールできよう。

強大な能力を持つアモンだが、その起源は複雑だ。まずはエジプトの神アムンが変化し「計り知れぬ者」という意味を持ち、エジプトで水の事をアマンと言うことから海神となり、全ての源の海を手に入れたことで創造神と呼ばれた。その後、豊饒神ミンと同化しアモン・ミンとなり、太陽神ラーも取り込みエジプト最高神アモン・ラーとなる。様々な神の性格を吸収したことから「何の特徴も無いのが特徴」ともされた。

しかし、中世以降ゲーティア等では、エノク書や聖書に出てくるマモンと同一視されていく。マタイ伝では「誰も神とマモン(シリア語で富や金)に同時に仕えることはできない」とされ、取り込む対象が神々から金品へと変遷したようだ。

「ソロモン72柱」 悪魔紋章 "07 アモン/Amon"
 悪魔紋章 "07 アモン/Amon"

「ソロモン72柱」 07 アモン/Amon