名は「共通の兄弟」という意味する。メタトロンの双子の弟にあたり、ラビの伝承では「イスラエルの祈りを編みあげる巨大な天使」とされる。カバリストは彼を「暗い天使」と呼称する(それに対し兄は「明るい天使」)。この二人の天使は魂が危機に陥ると左右の肩の後ろに立つといわれる。

サンダルフォンは兄と同様あまりに巨大で、足から頭まで登りつめるには500年はかかるという。モーセ五書を受け取る為に天へ導かれたモーセは、そのあまりの巨大な姿に恐怖した。この際モーセは、サンダルフォンが「イスラエルの祈り」を材料に、神の頭にかぶせるための花飾りを編んでいたのも目撃している。

サンダルフォンは、大天使ミカエルの任務でもある「サマエル(サタン)と終わり無き戦い」を代行することもある。赤子の性別を決める役割を持ち、天国の歌を司り、鳥を監督する立場も担う。"御使いの獄舎"第五天マテイの支配者。

兄メタトロンと同様、サンダルフォンも人が昇天し天使になったとされる。イスラエルの預言者エリヤ。彼が苦難を経て天界に辿り着き、天使として生まれ変わった姿がサンダルフォンだというのだ。

「生命の樹の天使」としてサンダルフォンは第一〇のセフィラー:「マルクト」を守護している。

マルクト/Malchut:「王国」の意(自己とも)
象徴:数字・10、色・レモン色・オリーブ色・小豆色・黒、宝石・水晶、惑星・地球
神名はアドナイ・メレク。「王座に座る若い女性」として表現される。五感を通し知覚する「物質的王国」と考えられる。シェルのデーモン、リリスと対立。

サンダルフォン/Sandalphon