その名は神の慈悲の意。魂の管理者。シンボルは雷霆。別称:レミエル/Remiel。ウリエルの別名=ファヌエル/Phanuelと同一視されることもある。

…世界が悪に染まり混乱の極みに達した終末。神によって「最後の審判」が下される時。死者は土の中で復活を待つとされる。善を為した人は光り輝く「新しい世界」へ。悪を為した人は「永遠の地獄」へ。ラミエルの役割である魂の管理とは、この終末世界で人々の霊魂を管理することなのである。

ラミエルは「真の幻影を支配する」ものとも伝えられる。ラミエルの幻影とは、ただの幻や夢の類では無い。ユダヤやキリスト、イスラム教での幻影=Visionとは、選ばれし人間に神の意志を映像として認知させること。深い信仰、そして真実への求道心を持つ者に、神から与えられるメッセージが黙示なのである。数々の預言者、聖人が得た黙示の成果を鑑みても、「幻影の支配者」たるラミエルの任務は極めて大きな意味を持つ事が解るだろう。

ラミエルの別称、レミエルは「雷霆」を司るという。この荒ぶる側面から彼を堕天使とする説も有力だ。堕天使としての彼は「背教者のリーダー」とされ、ミルトンの失楽園の中では、ことさら凶暴な側面を強調されている。また、ファヌエルとしての側面として知られるのは、一つは「エチオピア語の譬話集/The Ethiopic Book of Parables」にて、サタンたちの誘惑を断ち切り、永遠の命を望む者たちの悔い改めの気持ちを支配すること。古代ヘブライでは邪悪な霊から身を護る際にこの名を口にしていたようだ。

ラミエルは「栄光の天使」のうちで、"確定していない三人"の候補者の一人とされる。

ラミエル/Ramiel